NHK 受信料 放送法64条とは? 義務?なぜ払うようになったの?

2017年12月6日に最高裁がNHKの受信料をめぐって、放送法64条は合憲だという判決を出しました。

でもここで出てきた、「放送法64条」・・・

これって一体どんな法律なんでしょうか?

憲法9条は教科書やニュースにも出てきますから、戦争放棄の憲法って分かりますが、「放送法64条」って言われてもピンと来ないですよね。

「放送法64条とは何か」

「なぜ私たち国民は受信料を払うようになったのか」

簡単にまとめてみました。

>>NHKの受信料をめぐる2017年12月6日の最高裁の判決についてはこちら。争点は4つ。

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放送法64条とは?

まず、放送法64条の前に、「放送法」について説明します。

放送法とは?

「放送法」というのは、日本放送協会や放送事業者の規律に関する内容が定められた日本の法律のことです。

1950年6月1日に施行された法律で、全部で11章(193個の条項)と附則で構成されています。

放送法の章立て

  • 第1章 総則(第1条、第2条)
  • 第2章 放送番組の編集等に関する通則(第3条 – 第14条)
  • 第3章 日本放送協会(第15条 – 第87条)
  • 第4章 放送大学学園(第88条 – 第90条)
  • 第5章 基幹放送(第91条 – 第125条)
  • 第6章 一般放送(第126条 – 第146条)
  • 第7章 有料放送(第147条 – 第157条)
  • 第8章 認定放送持株会社(第158条 – 第166条)
  • 第9章 放送番組センター(第167条 – 第173条)
  • 第10章 雑則(第174条 – 第182条)
  • 第11章 罰則(第183条 – 第193条)
  • 附則

 

放送番組を編集する際の法律や、放送大学学園のことも法律で書かれているんですね。

そして、この中にある第3章に何かと話題となる「日本放送協会(=NHK)」についての法律も書かれています。

第3章「日本放送協会」に関する法律は、15条~87条と計73個の条文で構成されています。

では、ここからその注目となった放送法64条を見ていきましょう。

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放送法64条とは?

放送法64条には何が書かれているんでしょうか?

放送法64条には「受信契約と受信料」のことが書かれています

では、「受信契約と受信料」についてどのようなことが書かれているんでしょうか?

放送法64条(受信契約と受信料)については以下の4点が記されています。


  1. 協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。
  2. 協会は、あらかじめ、総務大臣の認可を受けた基準によるのでなければ、前項本文の規定により契約を締結した者から徴収する受信料を免除してはならない。
  3. 協会は、第1項の契約の条項については、あらかじめ、総務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
  4. 協会の放送を受信し、その内容に変更を加えないで同時にその再放送をする放送は、これを協会の放送とみなして前三項の規定を適用する。

一見、「テレビなどの受信設備を設置した者は協会(=NHKのこと)と契約しなければならい」という風には見えますが、「ただし~」以下の部分を見逃してはいけません

ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。

 

これは、つまり受信目的ではない受信機を設置した場合は契約しなくてもいいと言っているんです。

メディアはよく、受信機がある世帯は契約をしないといけないと言っていて、ここの部分の説明をしていません。

メディアにとってNHKはお客さんですから、NHKのことは悪くいえないんです。

しかし、受信目的としていない受信機の設置の場合は契約しなくていいと法律で明記してくれています。

つまり、「テレビはありますが、NHKの受信目的で設置していません」と言ってしまえば、契約せずに済む、契約料を支払う必要はないということなんですね。

受信料を払いたくない人にとっては、ここの部分は押さえておいた方がいいと思います。

では次に、

なぜ、そもそもこのような法律があるのでしょうか?

なぜ、受信設備を設置したら国民は受信料を払わなければならないのでしょうか?

ここから、放送法64条ができた歴史を紐どいていきましょう。

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NHK受信料の歴史

まず、現在のNHK(日本放送協会)というのは、上記で紹介した放送法に基づく特殊法人として1950年に設立されました。(ちなみに、NHKは「NIPPON HOSO KYOKAI」の略。1959年に定款で正式な略称と定められました)

しかし、NHK設立以前にもテレビやラジオはありましたよね?

それはどこが放送していたかというと、少しややこしいのですが、NHK(日本放送協会)の前身に、同じ名称の「社団法人日本放送協会」があって、そこがラジオ放送をしていました。

今では考えられませんが、その当時、ラジオ放送を聞くためには、聴取料を払わないといけなかったんです。

当時のラジオ放送は「聴取無線電話」といわれました。

電話じゃないじゃん!っとツッコミを入れたくなりますが、当時の大日本帝国は、聴取料を設けることで放送を電話のように公益性の高い事業に位置づけ、ラジオ放送を速やかに普及させる狙いがあったそうです。

国民は、ラジオを聴ける設備を設置すると、国から「聴取無線電話私設許可書」という許可書(免許)を得て、日本放送協会に聴取料を払うという仕組みでした。

そして当時の聴取料は「月額1円」

月額1円の価値はどれくらいか?

昭和5~7年ごろ教員の初任給が15円でしたので、今の価値で言うと1万円の価値があったと思います。

私たちの感覚でいうと、スマホや携帯代で月1万円くらい払う感じですね。

戦後に「受信料制度」は誕生

戦後はGHQのマッカッサーにより、放送制度の民主化が進められました。

そして1950年(昭和25年)に放送法が制定。

これにより、民間企業による放送事業参入が認められるようになったと同時に、日本放送協会は社団法人から特殊法人に変わり、放送事業も継承してことになりました

この際、大事だったことは、日本放送協会が、日本国政府・企業等の圧力に屈しない組織にするということ。

戦前は、日本放送協会は、大日本帝国の支配下にいたことから、国に不利な情報は一切流さず、有利な情報ばかりを放送するようになっていました。

負けた戦争は国民の士気が下がるということで放送せず、勝利した戦のみ放送している状態です。

今の北朝鮮みたいな感じとい言った方がイメージしやすいでしょうか。

だからこそ、特殊法人日本放送協会には、国や企業から独立した組織、いわば国や企業に屈しない組織にする必要がありました。

国や企業とのしがらみをなくすために手っ取り早かったのが、そこからの支援(=お金)を受け取らないということ

支援を受けないから、恩返しする必要も無い。

しかし、どこからも支援を受けないとなると、日本放送協会の運営は支障をきたします。

そこで、考えられたのが、日本放送協会が国や企業から独立するために、放送の受益者である国民から徴収し運営していくことでした。

これが「受信料制度」の誕生となりました。

国民から受信料を頂く代わりに、国民にとって有益な情報を提供していく、放送を公共の福祉に適合するように発展させていく、そういう方向に日本放送協会は向かうことになったんです。

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受信料の推移

そんな経緯で誕生した受信料ですが、最後に、受信料が誕生してからどのような推移をたどっていったのかもお伝えしたいと思います。

総務省統計局の資料にNHK受信料の年次推移がありましたので、抜粋して紹介します。

[su_table]
年代 NHK受信料 現在の価値換算
1950年代 200円~300円 2640円~3640円
1960年代 300円~465円 1630円~2460円
1970年代 465円~710円 830円~1500円
1980年代 880円~1020円 960円~1080円
1990年代 1320円~1345円 1110円~1200円
2000年代 1345円 1345円
2017年 1260円 1260円
[/su_table]

見て頂くと、昔にくらべるとNHKの受信料は安くはなってきているんですね。

放送事業会社がたくさんいる中で契約者数を伸ばすためにとったNHKの必然策なのかもしれません。

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まとめ

放送法64条と受信料の歴史についてのまとめ、いかがだったでしょうか。

放送法64条がどういったもので、どういった経緯でわたしたち国民は受信料を払うようになったのか

それは、戦前にラジオが公共サービスとして位置づけられていたことからはじまり、戦後も国や企業から独立した組織としてNHKを成り立たせるために国民から受信料を徴収するようになったということですね。

しかし、戦後70年経ち、時代も大きく変わりました。

私たちは、様々な情報をテレビだけではなくインターネットでも得られるようになっています。

NHKには公正公平な情報を流してくれるイメージはあり安心感はありますが、それを視聴するか否かは私たち視聴者の自由です。

今回の12月6日の裁判で、放送法64条は合憲と判断されましたが、そうなったからといって、受信料を国民が支払わなければならないという理由にはなりません

放送法64条の「ただし書き」が記しているように、NHKの受信を目的としない受信設備の設置においては受信料を払う必要はないと明記しています。

もし皆さんの中に今後NHKへの受信料の支払いについてどうしていこうか迷っている方がいれば、ぜひ今回の記事は参考にご判断ください。

NHK 受信料 最高裁の判決 結局どういうこと?合憲?敗訴?12月6日

2017.12.08
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